花の中から花が生えた!
- 広報部

- 2025年11月20日
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先日、協会員Nさんから、栽培しているBegonia 'Flyingegg'に、花の中心からさらに花が生えてくるという珍しい現象の報告がありました。調べてみると植物学的に名前のついた現象であることがわかりました。

◆別の協会員Mさんからの情報
「花弁が出来た後も成長点が活動を続け、花弁を作り続けたり花を作ったり、茎が延び出したりする現象のことを貫生というそうです。
それによって生じる花を貫生花と呼ぶらしいです。
花芽の形成過程で高温にあたると起きる生理障害で、キク科やバラ科によく見られるものだそうです。
あまり馴染みがない言葉ですが、八重咲きベゴニアは貫生状態で固定されている園芸品種だそうで、品種によらず、一般的に八重咲きと呼ばれる花は器官重複か貫生、又はその両方が合わさったものらしいです。」

◆ 貫生(かんせい)
今回のように、花弁が形成された後も成長点が活動し続け、花弁を作り続けたり、新しい花が形成されたりする現象を「貫生」と呼び、その結果生じた花を「貫生花」と呼ぶそうです。
貫生は高温ストレス、日長変化、栄養過多、乾湿ストレスの繰り返しなど、花形成のタイミングが乱れたときに起こりやすい生理障害です。
◆貫生の基本的な特徴
· 花の中心にあるべき雄しべ・雌しべの位置から、本来なら発生しない器官が形成される。
· 多くは「花の中から花軸・小花が出る」ように見える。
· 花の器官配置(花被片・雄しべ・雌しべ)の分化プロセスが乱れた結果起こる。

◆なぜ起こるのか?
研究報告では、貫生は以下のような条件と関連する生理障害とされています。
(1)環境要因
・高温ストレス
・日照・気温の急変
・過度の栄養状態(特に窒素過多)
・生育初期の乾燥・過湿ストレスの繰り返しが典型的なトリガーになるようです。
(2)遺伝要因
ベゴニアの一部の園芸品種は、花器官の重複が起こりやすい遺伝的傾向を持っているのだそうです。
◆珍しい現象なのか?
貫生は園芸家・生産現場では「たまに見る、生理的な乱れ」として扱われています。特に大量生産の現場では、数百〜数千株のうち数株で貫生が観察されているようです。ただし一般の園芸愛好家が頻繁に見るほど多いわけでもなく、家庭では見られると珍しい部類に入ります。

◆八重咲きの構造
ちなみに八重咲きの構造は
・雄しべ・雌しべが花弁化する「器官重複」
・中心の成長点が新しい花を形成する「貫生」
・両方の混合 から成り、八重咲ベゴニアでは特に貫生的な形質が固定されている例が多くあります。
◆フライングエッグで起きたこと
今回の『ベゴニアフライングエッグ』で見られた現象は、季節的な高温や湿度変化による“軽度の貫生”と考えられます。ベゴニアは花器官の変異が出やすいため、日本の環境ではこうした現象がときどき発生します。
株が弱っているサインではなく、次の花は正常に戻ることがほとんどです。

◆ まとめ
・花の中心から花が生える現象は「貫生」
・高温などの生理的ストレスで発生
・園芸・生産の現場ではときどき見るレベル
・八重咲きベゴニアは貫生的性質が固定された品種が多い
・今回のフライングエッグの現象は軽度の貫生と考えられる






