top of page

ポンポコ村ベゴニアガーデン

私がベゴニア栽培をはじめたのは今から3年ほど前。

ネットやイベントで見かけたベゴニアを検索すると高確率でBegonia Clubのサイトにたどり着いた。

Begonia Clubには見たことのない原種ベゴニアが、これでもかと言わんばかりに溢れてかえっていた。


 

いつかはこのサイトを運営しているポンポコ村ベゴニアガーデンへ行ってみたいと夢みたものである。

 

幸運なことに9月に九州に行く用事が出来、少し足を伸ばして訪れてみることにした。

 


福岡空港でレンタカーを借り、クルマを走らせることおよそ一時間。佐賀県の唐津湾を見渡せる高台の斜面にポンポコ村はあった。

 

事前にお話をうかがえるようお願いしていたので近藤吉豊さんが出迎えてくれた。





 


代表の近藤吉豊さん
代表の近藤吉豊さん

ベゴニアに興味を持ったきっかけを教えてください。

 

私が高校生のころに第一次ベゴニアブームがあり、植物の雑誌にベゴニアが載っていて興味を惹かれたんですね。でも唐津ではベゴニアを入手することが出来なくて、情報もなくて。


私が農業高校に通っていたので、たまたま学校に確かBegonia ‘Lucerna’だったと思うのですが栽培していて、何本かいただいて育てたのが始まりです。

 

この地にベゴニアガーデンを開園しようと考えた訳はなんですか?

 

元々農家に育って農家を継いで、育てた作物を農協に納めたり直販をはじめてみたりいろいろ試行錯誤しながら農業をしていたわけです。そんな中で何か他とは違ううちならではの特徴を持ちたいと考えていたんですけど、そんなときに目の前にベゴニアがあった。これで新しいこと始められないかと考えたわけです。

 

この地を選んだ理由はありますか?

 

ここは元々うちのみかん農園だったところなんですよ。このあたりは観光地なので人が集まるからここでみかん狩りなんかもやっていたし、見晴らしも良い場所なのでベゴニア園にしようと考えたのです。

 


ベゴニアはどのように取集されていたのですか?

 

いろいろな展示会に足を運んでました。といっても東京までは行けなかったので、熊本や長崎の展示会に行き、集めてました。今はもう存在してないんですけど、その当時は日本ベゴニア協会の支部が2つか3つあったんですよ。

それからしばらくしてこちらもいろいろなベゴニアを栽培していると、いくつかの植物園と直に話が出来るようになって、それぞれ欲しい品種を物々交換したりしてました。

 

それから10ヵ国ほどの国の方々ともトレードしてました。まあ物々交換ですよね。植物検疫証明書をつけて。それでも通らない国もあって、一度違う国の知り合いに送って、そこから目的の国に送ってもらうなんてこともしてました。

 







奥様はベゴニアに興味を持たれていたのしょうか?

 

最初は興味がなかったのですが、興味を持たなければいけなくなってしまった。今は私は米農家もやっているので、ベゴニアの世話は妻が主にやってます。


 

ベゴニアは一番多いときに何種類ぐらい栽培されていましたか?

 

一番多いときは2000種ほどありました。あるときハウステンボスからベゴニアの依頼が来て、世界一のベゴニア園を作りたいということで、1000種類集めなきゃいけなくなって。その流れでどんどん集めてましたね。毎年100種類ぐらい増えていました。

 


これまでで大変だったことは?

 

これはもうコロナですよね。それまでは海外からもベゴニアを買いたいという依頼がたくさん来てたんですけど、コロナでパタッと止まってしまって。送っても飛行機自体がなかなか飛ばないのでいつ届くかわからいらいことになってしまいましたし。そのころ農業が忙しくなっていって、自然と農業が主体になってしまったんですよね。

 

コロナ前は、世界中からベゴニアのオーダーが入って、もうこれだけで経営していけるかな?ってくらい忙しかった。それがコロナですべてが変わってしまったんです。


 

(ここからは一般の栽培家のヒントになるような質問)

ベゴニアガーデンでは用土は何を使われていますか?

 

調整ピートモスを主に使ってました。無調整はちょっと酸性が強すぎるので。最近は水苔を使ってます。でも水苔は長期間使っているとダメになってくるので、そこが問題ですね。それとベゴニアは伸び伸びと育ててあげないとダメなんですよ。キツキツにしてはダメ。

それから鹿沼土を主に使っている人が多いみたいだけど、Begonia ferox などはアルカリ性の石灰岩エリアに生えているからあまり合わないんですよ。だから用土はいろいろ試行錯誤しながら使った方がいいです。


 

肥料は使いますか?

 


肥料はあげたほうが元気良くなりますね。ただし大きくなるので、大きくしたくない場合は考えないといけないです。肥料は液肥を月に1度か2度あげてます。液肥以外はあげてないです。液肥だけで十分育ちますね。

 

夏越しや冬越しはどうされていますか?

 

夏は冷房しないとダメな種類があるので、エリアにより冷房してます。冷房しなくても風通しと湿度を保てば大丈夫な品種もあります。

冬は暖房をするんですけど、燃料代が高騰しているので昔よりも最低温度を低めに設定してます。12~13度あるとどんどん成長するんですけど、そういうわけにもいかないから5度は下回らないようにしてます。10度あればたいがいのものは消えないですね。

 





病気や害虫の予防はしてますか?

 

予防はしていないです。ヨトウムシみたいなのが来たり、アブラムシがついたりしますけど、そのときは早めに薬剤散布して対処しています。


 

 

まだまだ聞きたいことはたくさんあるのだが、今回はここまでとした。

 

取材を終えて

 

ベゴニアガーデンには、見たことのない原種や大きな植物園でしか見ることが出来ない見事な大株などが広い園内にちりばめられている。近藤氏が言っていた最盛期の2000種あるベゴニアガーデンをこの目で見てみたかった。



今でも多くのベゴニアを栽培されているので、九州に行く機会があるベゴニアマニアは絶対に立ち寄るべきスポットである。また園内のカフェテラスからは唐津湾が眼下に広がりとても気持ちの良い風が吹き抜け、時間が経つことを忘れてしまう。


 

今も近藤さんのところには海外からいくつもの問い合わせが来るのだそう。

しかし米作りに軸足を置きながらベゴニアガーデンの管理と、更新が止まっているBegonia Clubのサイトのこの先をどのようにしていくのか悩んでおられた。

 


なんとか貴重なベゴニアを残していってもらいたいものである。

 
 
bottom of page