ベゴニアの正式な表記法
- 広報部

 - 5月1日
 - 読了時間: 2分
 
更新日:5月28日
近年オークションやメルカリなど個人売買が盛んになるにしたがって、ベゴニアの表記があいまいになっているケースが見受けられます。

個人販売者の記憶違いで名称を記載し、購入した方がそれを増やして、また販売するようなケース。それとベゴニアは葉挿しで容易に増やせるので、多品種の葉挿しをして名称を間違えてしまうというケースもあるようです。
さらにイベントなどで海外の販売者がノーネームで持ち込み、購入した人が「たぶん〇〇だろう」ということで種名を記載してしまうケース。
原種の種名を間違いなく記載し、他の方へ譲る場合も漏れなく情報を伝えることが大事ではないでしょうか。
さて正式な表記に関してですが、ベゴニアだけでなく植物全体に学名表記ではルールが存在しています。
植物の学名は、国際植物命名規約(ICN: International Code of Nomenclature for algae, fungi, and plants)に従って表記されます。

【学名表記の基本ルール】
◆属名 + 種小名はイタリック体で表記する
こと。
属名の最初の文字は大文字で表記すること。
Begonia pavonina
◆変種(var.)や亜種(subsp.)もイタリック
体で記載すること。ただしVar. や subsp.
などの表記はイタリック体にしてはいけな
い。種小名・変種名・亜種名は小文字で
記載すること。
また細かいですが、sp. や var. などと種名
の間には英字1文字分 のスペースを空ける
こと。
Begonia ningmingensis var. bella
◆学名に記載者(命名者)の名前が付く場合
は、命名者名はイタリック体にしない。
また命名者名は最初の文字のみを大文字に
する決まりです。
Begonia grandis Dryand.(Dryand.=命名者)
◆未同定の種で産地がはっきりしている場合、産地名はイタリック体にせず、最初の文字は大文字。
Begonia sp. Madagascar

◆園芸品種(栽培品種)は学名とは異なり
「属名 + 品種名」で表記します。
この場合、品種名は一重引用符『'』で囲
み、イタリック体にはしません。
Begonia 'Silver Queen'
◆交配種の場合、親植物の学名の間に
「×(交配記号)」を挿入して表記します。
雌親 × 雄親 の順で記載するのが基本
ルールです。
Begonia grandis × Begonia pavonina
いろいろと細かいルールがあるものです。
でも逆に言えば、イタリック体の種名が付いているベゴニアは同定されている原種だということが分かりやすくていいですね。
なかなかイタリック体までこだわって表記しているサイトは見かけませんが、こんなことに注目してみるのも楽しみ方のひとつでは?






