葉片挿しと葉柄挿しの考察
- 3月19日
- 読了時間: 4分
原種ベゴニアは一般の園芸店ではまず売っていない貴重な植物です。ゆえにお気に入りの原種ベゴニアを手に入れたら、誰しもが枯らしたくないと思うはず。しかし生き物であるし、そもそも熱帯系の植物なので様々な条件を整えてあげないとすぐに調子を崩してしまう。

そこで愛好家は、リスクヘッジとしてクローンを作成している。
まあ簡単に言えば“葉挿し”するのですね。
ベゴニアは比較的簡単に葉挿しで増やすことが出来るので、葉挿しをしている方も多いと思う。(木立性など葉挿しが出来ない、もしくは難しい種もある)
さて葉挿しと言ってもいくつか方法があるわけだが、
今回葉片挿しと葉柄挿しについて考察してみた。
葉片挿しは葉脈一つに対して一片を切除する。一枚の葉を切り刻んで6~10片にしてしまうわけだ。私は主にこの方法で葉挿しをしている。

葉柄挿しは、葉そのものは切らずに葉柄を5cm前後付いた状態で水挿しをし、一カ月前後して葉柄の先端に根が出てきたら用土に植えるという方法を最近試している。

最近葉柄挿しをして気付いたことがある。
「葉柄挿しのほうが、葉片挿しの小苗よりも成長スピードが早いんじゃない?」
ということ。そんなことあたりまえだという先達もいらっしゃることだろうが、私はつい最近気付いた。
まず葉片挿しだとひょろっとか細い小さな葉が出てきて、しばらくして2枚目の葉が展開してという具合だが、葉柄挿しは、いきなりしっかりした葉柄の葉が2枚~4枚とか芽吹くのである。芽吹いてからの成長スピードも格段に葉柄挿しが早いと感じる。
そこでこの事象をAIに解説してもらった。
「再生の出発点が違う」
葉片挿しの場合
再生の起点は主に葉脈周辺の維管束であり、葉肉中の分化度の低い細胞。
一度カルス化(未分化組織)を経由することが多くその後に不定芽が形成される。ゆえに段階が多く、時間がかかる

葉柄挿しの場合
再生の起点は葉柄内の維管束であり、節に近い性質を持つ基部組織。
カルス化をほとんど経ず、直接不定芽が形成されやすい構造的に「芽を作りやすい位置」から始まる

「葉柄挿しのほうが成長スピードが速い」理由
主な理由
維管束が長く残る
・葉柄には導管・師管がはっきり存在
・水・糖・ホルモンの移動効率が高い
オーキシン勾配が自然
・葉身 → 葉柄基部へオーキシンが流れる
・発根・芽形成のシグナルが安定
※オーキシン:植物の成長(特に茎の伸長)や形態形成を制御する主要な植物ホルモン
光合成能力が保持される
・葉身が健全なまま残る
・発芽初期から自前の炭水化物を供給できる
➡結果として、初動が早く、成長が止まりにくい
「葉柄挿しでいきなり2枚・3枚の葉が出る」理由
葉柄挿しでは
複数の不定芽がほぼ同時に誘導されやすい
特に原種ベゴニアでは葉柄基部周辺に「潜在的な芽形成能」を持つ細胞群が点在
葉片挿しでは
基本的に1カルス → 1芽の流れになりやすい
同時多発は起きにくい
「葉柄挿しで葉柄がしっかりしている気がする」理由
葉柄挿し由来株
初期から維管束が太く節間が短く締まる
いわば「実生に近い骨格」
葉片挿し由来株
初期は葉が先行し、葉柄・茎の充実が遅れる
組織が柔らかくなりやすい
➡スタート地点の組織成熟度が違う

葉柄の役割と利点
葉柄は、葉身と茎をつなぐパイプの役割を果たし、水分や養分を運ぶための維管束が通っています。
葉柄挿しでは、この葉柄を土に挿すことで、以下の点で優位性が生じると考えられます。
貯蔵物質の利用: 葉柄には葉身から送られてきたデンプンなどの貯蔵物質が含まれており、発根・発芽初期のエネルギー源として利用されます。
ホルモンの集中: 葉柄の切断部には、発根を促すオーキシンや細胞分裂を促すサイトカイニンなどの植物ホルモンが蓄積されやすく、これが再生能力を高める要因となります。
より「茎」に近い: 葉柄は葉身よりも構造的に茎(シュート)に近く、シュートの再生(芽吹き)に必要な細胞が、葉身のみよりも効率よく活性化する可能性があります。
私の(数は多くない)検証では、
原種ベゴニアにおいては、葉柄挿しのほうが再生が早く、同時に複数の葉が展開しやすく、初期の葉柄が充実しやすい。と感じた。
一枚の葉からいくつもの株を作りたいなら葉片挿し。初期段階からしっかりした株が欲しいなら葉柄挿しという使い分けをしてみるのも良いかもしれない。
もう一つ感じたことは、葉片挿しの場合、葉を切り刻むので切り口から雑菌が入り、腐敗してしまうことが一定数ある。
一方葉柄挿しは、そのリスクが低いと感じている。
※ベゴニアの種によっては、このような差が出ないこともあると思います。ひとつの意見として参考にしてください。




