top of page

2026年2月例会

  • 2月12日
  • 読了時間: 5分

関東では寒波が訪れ、雪も降り始める中ベゴニア愛にあふれるメンバーが参集しました。

また本日は見学参加者もいらして、閉会後には早速入会していただいたという嬉しいニュースまでありました。


'貴婦人' 葦沢氏交配 ※なばなの里
'貴婦人' 葦沢氏交配 ※なばなの里

 

ジャパニーズハイブリッド第一黄金期


本日のメイン企画は、理事長による講演:「ジャパニーズハイブリッド第一黄金期」です。1970年代、日本のベゴニア交配は国内外から大きな注目を集め、日本ベゴニア協会もその中心に位置していたそうです。

講演では、なかでも重要な役割を担って実際に交配を実践してきた作出家たちの仕事と思想が紹介されました。中でも理事長が、ご自宅や温室を訪問したりベゴニアの例会で直接お話を伺うことができた4名の作出家を取り上げています。

 

御園 勇


'紅栃葉'  ※なばなの里
'紅栃葉' ※なばなの里

最初に紹介された御園 勇氏は、非常に多くの交配を試み、その中から優れた品種を選抜する圧倒的な試行数で知られています。海外の作出家とも積極的に交流し、品種交換を行うなど、国際的な視点を持って交配に取り組んでいた点も特徴として挙げられました。

また、品種名のネーミングが秀逸で、名前から植物の特徴が自然と想像できることも大きな魅力です。

商業性よりも純粋な探究心と美意識を原動力に交配を続けた人物として紹介され、代表品種には、アメリカでも高い評価を受け現在も植物園で栽培されている「紅栃葉(B. 'Filigree'×B. 'Luxurians')」、三角形の葉と黒い縁取りが特徴の「デルタ(B. 'Yanonali'×B. 'Bokit')」、青みがかった黒いラインが美しい「紬絞り(B. 'Stanford's Miniature'×B. 'Yanonali'」などが挙げられました。

「ボーイ・フレンド(B. conchifolia var. rubrimacula×B. 'Dainty Lady')」では、緑葉の中央に現れる赤いスポットの魅力を最大限に引き出した点も印象的でした。

 

植村 猶行


'ルバーゲイ'  ※「ベゴニア百科」                日本ベゴニア協会 編より
'ルバーゲイ' ※「ベゴニア百科」 日本ベゴニア協会 編より

次に紹介された植村 猶行 氏は、日本ベゴニア協会の発展を牽引した中心人物であり、記録・出版・普及活動に尽力したことが述べられました。

作出においても、単に好みだけでなく、生産者が作りやすいかどうか(栽培温度や安定性など)まで考慮した品種選別を行っていた点が特徴です。

代表品種「ルバーゲイ(B. dregei×B. lubbersii)」は、わび・さびを感じさせる渋い美意識が近年アメリカで再評価されていること、「ピンク・シャンデリア(B. 'Lenore Olivier'×B. 'Pinafore')」は四季咲きで生産性が高く、8度以上の低温環境でも安定して開花する点が評価されていることが紹介されました。


 




茂見 浩


B. 'Aki'
B. 'Aki'

続いて紹介された茂見 浩氏は、交配後の選別が非常に厳しく、品種として確定するまで世に出さない姿勢を貫いた作出家として取り上げられました。

「篝火(B. 'Orange Rubra'×B. maculata)」はオレンジ系品種に原種を掛け合わせたもので、鮮やかな赤い花が印象的です。

B. 'Aki'(B. 'Margaritacea'×B. 'Lenore Olivier')」は成立しにくいかけ合わせを粘り強く試み、さらに10年をかけて花付きの良い系統を選び直して再発表したエピソードが紹介されました。

B. 'Hiro'(B. manicata aureo-maculata crispa×B. liebmannii)」は銀葉系の色味に独自性があり、ABS番号を取得するほどの自信作であったのでは?とも語られました。

 

葦沢 篤行


B. 'Black Tea'  ※なばなの里
B. 'Black Tea' ※なばなの里

4人目として紹介された葦沢 篤行氏は、園芸の専門家として現地に赴いて原種を採取・導入するなど独自のルートを持ち、例会でもフィールドワークの紹介を行っていた人物です。

代表品種として「ド・エレガンス(B. decora×B. deliciosa)」は赤い原種と立ち上がる原種を掛け合わせたもので、メタリックな独自の質感が特徴であること、「貴婦人(B. bowerae var. nigramarga×B. 'Verde Grande')」は育てやすく花も美しく生産者向けの品種として評価されていることが紹介されました。

また、「ブラックティー(B. 'Kifujin'×B. 'Norha Bedson')」は全面が黒い葉を持つ小葉の品種であること、「フラグラント・ビューティー(B. solananthera×B. procumbens)」は香りに着目した交配として高い評価を受けていることが述べられました。

 

清水 大典

'黄 鈴'  ※「ベゴニア百科」                          日本ベゴニア協会 編より
'黄 鈴' ※「ベゴニア百科」 日本ベゴニア協会 編より

このほか、理事長は直接お会いしたことはないものの、交配のスコアでは良く知っている、山野草の専門家である清水 大典氏についても紹介されました。

渋い感性で独特の交配を得意とし、代表品種「黄鈴(B. 'Tingley Mallet' × B. acida)」は一見ベゴニアらしくないものの、よく見ると魅力が際立つ品種であるとのことでした。












講演の最後には、1970年代の作出家たちが原種を積極的に導入し、それを交配の片親、あるいは両親として用いることで、原種の持つ強い個性を活かした品種を数多く生み出してきた点が改めて強調されました。

一方で近年は、熱帯雨林の開発により未知の原種が次々に見つかり続け、嬉しさがある反面、自然破壊の影も無視できないことにも触れられています。私たちにできることとして、入手した原種を大切に増やし、交配や栽培を通して次世代へ受け継いでいく重要性が示され、原種の魅力と交配文化の意義を改めて感じさせる講演となりました。

 

会員持ち寄り株


今回は降雪のため手短に紹介されています。

 


B. sp. Cao Bang 

ユキノシタのようで可愛いという声が出ていました。

 









グリーンステッチドレース

 










B. ‘Hitomi’  植村 猶行 氏 作出

 










B. ignita 

昨年会員から葉を分けていただいたもの。

今回花の立ち上がりが良いのでもってきたとのこと。

 







提供苗


最後は会員持ち寄りの株を抽選順に選んでいくコーナーです。

今回は4名から14種19株の提供がありました。

 

B. kingiana

B. pustulata

B. fangii

B. burkilli

B. 'Mabel Corwin'

B. sp. Sumpur

B. soli-mutata

B. 'Sanssouci'

B. pteridiformis

B. abdullapiei

B. '淡雪'

B. polilloensis

B. bipinnatifida

B. handelii var. prostrata


 

次回は今年度最後の例会です。

3月21日13:30~ 武蔵野公会堂

見学参加も出来ますので、お気軽にお問合せください。

 
 
bottom of page