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2026年 新春初例会

  • 1月31日
  • 読了時間: 6分

冬の集まりは、空気がきりっとしていて気持ちがいいですね。会場にはベゴニア好きの温度感がそのまま漂っていて、年初らしい前向きな雰囲気でスタートしました。今回は、理事長と東京支部長の新年挨拶に続き、新年特別講演はtanakayさんにお越しいただ来ました。

南米のフィールドで植物と向き合う話が、想像以上に面白く惹きつけられ刺さる内容でした。


 

日本ベゴニア協会理事長あいさつ

理事長からは、会員のみなさんと元気に顔を合わせられる喜びから始まり、健康というテーマが丁寧に語られました。WHO憲章前文の健康の定義として、身体的健康、精神的健康、社会的健康の3つが挙げられ、特にベゴニアを育てる楽しみと会合での交流が社会的健康につながる点が強調されました。


昨年は東京支部ウェブサイトが活躍し、デジタルを介した新しいつながりが増えたこと、そして新しい会員が増えたことに新たな息吹を感じられたそうです。


さらに2026年の話として、AIが日常に入り込んだ今、これを知の遺産を守る方向に使っていきたいという提案が出ます。中心に置かれたのは、日本ベゴニア協会が2001年と2009年に発刊したBegonia Check List JBS。このアナログで積み上げてきた資産を、ウェブ上で自在に活用できる形へデジタル化していく構想です。

(恐らくこのようなリストはアメリカベゴニア協会と日本ベゴニア協会だけが発刊しているものです。日本ベゴニア協会のものは、原種、交配種、レックスなど2万種弱を掲載。)


一方で、どれだけ便利になっても変わらない価値として、土の感触、葉に触れる感覚、咲いた瞬間にキレイだと感じる実体験が大事。データでは代用できない、育てる喜びと悔しさがある。ここ、静かに熱いところです。

 

東京支部 支部長 あいさつ

支部長からは、今年もベゴニアを通じて楽しく集える場をつくっていこうという挨拶がありました。昨年は東京支部ウェブサイトを立ち上げ、XやInstagramも含めて活動が賑やかになったこと、それらへの海外からのアクセスも増えていること。だからこそ、できる範囲で丁寧に対応していきたいという姿勢が示されました。


ネットの発展は目まぐるしく、情報も植物も手に入りやすい時代だからこそ、実物をめでて楽しむ感覚を大事にしたい、という言葉が印象的でした。

例会については、参加したらベゴニアでも会話でも、家に帰るときにうれしいことが1つ残る会にしたい。また植物にストーリーがあると、めで方が深くなるのでその視点も持って楽しんでほしいとの挨拶でした。


 

講演 tanakayさん 自己紹介

tanakayさんは、昨年まで38年間会社勤めをされ、南米で植物や生き物を見ることは趣味として続けてきたという自己紹介からスタートしました。現在はペルー周辺で活動しており、その地域の少し変わった文化やフィールドワーク、植物事情をたっぷり2時間お話しくださいました。


 

南米フィールドはロマンより段取りと安全が命、という現実から始まります。私有地が多いので勝手に入らず、まず宿で信頼できるガイドを探す。条件は最初に明確化して、成果に応じて支払いも調整するスタイルです。



移動と行動は体力勝負。道がない場所は川を道代わりにすることもある一方、転倒や増水のリスクがある。虫害も強烈で、地面に座らない(座るなら葉を大量に敷く)など、細やかな気遣いで安心して楽しめる度合いが変わるというお話でした。GPSも万能ではなく、木にマーキングして戻りを確保し、午後早く暗くなるので折り返し時間を逆算して動く。





生活面では、荷物を軽くする工夫(非常食、浄水、運搬サービス)や、船移動が基本で通信は意外と通る場面があるというお話でした。


珍しい植物は現地のどこでも普通にあるけど日本へ持ち帰れないことが多い、という検疫と輸送の壁も強調。また季節で遊び方が変わり、乾季は川が三日月湖に変貌し魚を捕まえ易くなり、雨季はカエルが出易くなる。移動はケチると危険なので、少し余計に払ってでも安全と時間を買うのが現実的だとか。



最後の質疑では、ガイド探し、予算、滞在期間などが話題になり、曖昧にせず段取りを詰めるのが大事ということでフィールドワークのお話をたっぷり伺うことができました。





 


新年恒例品評会

会員のみなさんが持ち寄った選りすぐりのベゴニアを、会場に集まった全員が投票して1位から3位まで表彰します。

 

出品株の紹介

 


B. sp. Vietnam

以前別の会員の方から譲り受けて育てていた株を、途中で枯らしてしまい、その後私が葉を分けた方から更に葉を分けてもらい今このように育っています。



 


B.lichenora

難しいことはしておらず、そのまま育てている、とのこと。花がついたので可愛さを感じたという話が印象的でした。また湿度が高すぎると花が咲かないという難しさもあるようです。

 




B.Conipila

毛がモサモサしていて白いスポットが入るのが可愛いベゴニア。

苔テラリウム仕立てにしたところ、どんどん伸びて容器からはみ出し気味で、切るか悩んでいる状態とのこと。

用土と見た目の工夫も具体的でした。

・上部の黒い層は黒ソイルに苔を配置

・その下は超硬質鹿沼土

・鹿沼土が緑っぽく汚れて見えるのが嫌で、化粧砂的に黒ソイルを入れて、その上にコケを置いた。

 

B. sp.Lang Son

3年目くらいの株で、関西の方からいただいたものとのこと。この株は葉の質感と花色のバランスがよく、花がよく咲く点が魅力なんだそうです。

よく似たつる性のB.sp.Lang Sonの話も出て、会場からはB.wiformisのことではないかという意見も出ていました。

 


B.kingiana

今年2月に購入した株。見た目が可愛い。

ケースを使い、上は塞がずに開放で管理。

補足として、キンギアーナは個体差が大きく立派になる個体もいる、産地も広くタイからマレーシアにかけて分布する、という話が出ました。

 


B. sp.Mindoro

昨年9月の例会で入手したものだそうで、まだ小さい状態。

フィリピンのミンドロ島原産。葉がビロード状で濃い緑が美しい。





 B.melanobullata

5〜6年作っていて、最盛期は過ぎた株だというこだそうです。ただ存在感は抜群。この株ではまだ花は咲いたことがないとか。

用土は鹿沼土が合っている気がするそうで、水やりは乾いてからやっていて意外と乾きに強い。

通気性が強い場所に適応したタイプなら理屈として合いそう、というコメントもありました。


 

B.dregei “Glasgow”選抜

初めてセルフ交配を行い、心配で複数回交配した結果、種さや1つで200〜300粒くらいの種子があり、合計で1000くらい芽が出てしまったという、嬉しい悲鳴のエピソードが披露されました。その中で一番赤っぽい葉の個体を選抜されたそうです。小さい葉を狙ったつもりが、育ったら大きい葉になった、というオチも。


 

B.'Green Diamond'

芦沢交配種でChina SP×olsoniaeだそうです。欲しい方は葉を切ってお持ちくださいと嬉しいお申し出がありました。

 

投票の結果

 

1位 B. sp.Lang Son

2位 B.dregei “Glasgow”選抜

3位 B.lichenora

 

以上の結果でした。



最後は新年恒例の配布苗(永花園さんのベゴニア各種)と会員持ち寄りの提供苗です。





 


今回の提供苗は、4名から29株の提供がありました。 


B. kingiana

B. 'Sanssouci'

B. serratipetala

B. sp.Costa Rica

B. 'Variegata'(Massoniana maculata)

B. ningminggensis

B. imperialis 丸葉

B. imperialis とんがり葉

B. ‘Al Clark’

B. polilloensis×rajah

B. U074

イット

B. sp.Jambi

B. sp.Thailand 銅葉

B. U400

B. 'Pseud Longiciliata'

B. soli-mutata

B.sp.Kapuas hulu

B. montis-elephansis

B. gracilicyma

B. sp.Batang Ai

 

今回は新年会ということもあり4時間という長丁場でしたが、tanakayさんの楽しいお話に引き込まれ、長さを感じさせない充実した会となりました。


次回は変則的ですが2月7日(土)13:30~となります

 
 
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