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2025年6月例会

2025年6月の例会は、神代植物公園内の植物会館にて開催されました。協会メンバーによるベゴニア展示もおこなわれており、さまざまな品種が一堂に会しておりました。

また今回は理事長のベゴニア展見学ツアーの流れで例会が開催されたため、一般の見学参加者が12名いらして、いつもとは違う雰囲気での例会となりました。


テラリウム解説と実演


前半は、東京支部支部長によるテラリウム制作の実演と、育成環境に関する詳細な説明が行われました。


テラリウムの基本的な構造から、使用する素材、通気や水分管理の工夫まで、多岐にわたる内容が紹介されました。






続いてY氏による実演では、苔テラリウムとベゴニアの融合をテーマにした内容。

まずガラス容器の底に小粒〜中粒の軽石を敷き、鉢植えのベゴニアを設置するための措置としてプラ鉢を半分に切ったものを置き、その周りに用土を敷き詰める。

この構造により、必要に応じてベゴニアを容易に取り出せる工夫が施されています。

用土には鹿沼土の中粒と小粒を混合したものを使用し、保水性と通気性のバランスを重視した配合とされていました。



さらに、鹿沼土の上にはアクアリウム用の黒色ソイルを覆土として使用し、見た目の美しさとコケの発生抑制を

兼ねた設計となっていました。また、苔は生の苔ではなく、乾燥スナゴケというものを蒔きスプレーで潅水。1か月半ほどすると新芽が出るということです。最後にあしらいとしてBegonia lichenoraを苔の上に配置して完成。





Begonia sp. Sabah
Begonia sp. Sabah

見事に苔テラリウムとベゴニアが融合されているのではないでしょうか。

容器にフタをすることにより1カ月は給水が不要な状態を保てるとの説明がありましが、夏季は過湿による蒸れに注意が必要であり、蓋を少しずらしたりうちわで送風するなど通気を意識するといった管理の工夫が求められるそうです。







参加者からは、水苔の扱い方や乾燥状態からの戻し方についても質問があり、1時間ほど水に浸けて戻し、よく絞ってから使用するなどの実践的なアドバイスが共有されました。

密閉管理による利点と注意点、湿度と水分のバランス、苔の活用など、幅広い視点からテラリウム栽培の実例が紹介され、初心者から中級者まで多くの学びのある時間となりました。


病害対策と肥培管理


続いて、ベゴニアの病気予防に関する実践報告が共有されました。病気は一度発症すると対処が難しくなるため、症状が出る前の予防的な管理が推奨されます。


東京支部会員から月に1回程度の殺菌剤の散布が効果的であるとの報告がありました。具体的には、「サンヨール」などの殺菌剤を他の殺菌剤と交互に使用し、葉面散布を行うことで感染を未然に防げるとのことでした。


また、テラリウム内での肥料管理については、過剰施肥を避け、ごく少量の緩効性肥料(マグァンプKなど)を用いる程度に留めるのが良いとされました。葉が黄色くなるなどのサインが見られた場合には、微量要素を含んだ液肥を霧吹きで軽く施す程度で充分であるとのことです。


会員による近況報告


例会の後半では、参加メンバーによるベゴニアの栽培状況や気づきの共有が行われました。


ある協会メンバーからは、『現代農業』に掲載された技術を応用しようとした試みが紹介されました。野菜栽培で用いられるケイ酸カルシウム資材「イネニカ」をベゴニアに試用した結果、pHの影響により一部の株が枯死するなど、思わぬ失敗があったとのことでした。品種や季節によって適応性が異なるため、実験的に導入する際は十分な検証が必要であるという教訓が共有されました。


また、参加者からは夏の高温による成長停滞や、湿度と通気の管理の難しさについての報告もありました。特にBegonia luxuriansのように暑さに弱い品種については、遮光やエアコンの活用、日陰管理などが重要であるとの実感が語られました。


さらに、Begonia maculataやrex系ベゴニアの挿し木・植え替えのタイミング、日照の取り扱いに関する経験談も共有され、栽培環境の違いが成長に与える影響について、具体的な事例が飛び交いました。

 

最後に会員による提供苗があり、見学参加された方々が喜んで選んでらっしゃいました。













次回は7月12日(土)13:30~「武蔵野公会堂」(吉祥寺駅近く、丸井裏手)にて開催される予定です。見学参加も歓迎しておりますので、興味をお持ちの方は問い合わせからご連絡ください。

暑さが厳しくなる季節ですが、ベゴニアとともに、充実した園芸の時間をお過ごしいただければ幸いです。

 
 
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