top of page

2026年7月例会

9月17日
読了時間: 6分

神代植物公園「ベゴニア展」大成功!


はじめに先月行われたベゴニア展に関する報告が東京支部長よりありました。


6月23日(火)〜28日(日)の6日間にわたり開催された、神代植物公園での「ベゴニア展」。東京支部会員の皆様のご協力のおかげで、無事に大盛況のうちに幕を閉じることができました!本当にお疲れ様でした。



今回、初めての試みとして挑戦した「余剰苗の即売会」ですが、開場と同時にびっくりするほどの賑わいに!市価よりもぐっとお得でお買い得な価格だったこともあり、あっという間にほぼ完売となってしまいました。「今まで協会のことを知らなかった」という一般の園芸ファンの方々にも私たちの活動を知っていただける、最高のきっかけになりましたね。


今回の展示には、12名の会員からなんと合計138鉢もの自慢の株が集まりました。熱意あふれる素晴らしい株ばかり! さらに、当協会が長年続けている神代植物公園バックヤードでのボランティア活動(月2回)の信頼関係から、一般の家庭では育てるのが難しい大型の大鉢を70鉢もお借りすることができました。そのことにより会場全体の格調がグッと上がったのは、まさにこの長年培ってきた絆のおかげです。


これは面白い!アクアリウム×パルダリウムの新しい提案


会場で特に目を引いたのが、小平会員による「アクアリウムとパルダリウムを融合させた展示」でした。水槽の水中生態系の上に原種ベゴニアを配置し、下から立ち上るやさしい湿気を自然に利用するシステムです。よくあるテラリウムとはまた一味違う、見事な環境づくりに立ち止まる来場者が続出! 水流が苦手な熱帯魚のベタが、水中の枯れ葉の上で気持ちよさそうに休んでいる姿など、「生き物と植物が共に暮らす理想の姿」が表現されていて、ベゴニア栽培の新しい可能性を感じさせてくれました。


病気や害虫の症状と分類学的・生態学的対策


例会の中盤では、ベゴニア栽培の永遠の敵「うどんこ病」や菌性病害についての深いディスカッションが行われました。京都大学の教授による論文(会報誌96号掲載)をベースにした、とても実践的な学びです。


実は、うどんこ病のコウジ菌(カビ)が一番元気になるのは「気温20〜25度・湿度50〜70%」の環境。 「湿度が高いほど出そう」と思いがちですが、湿度が超ハイレベルになるジメジメの梅雨真っ只中や、カラカラに乾燥する真夏には、かえって発病が抑えられるという、ちょっと意外な生態を持っています。


【効果的な対策アプローチ】


市販薬の活用:ベニカスプレーや系統の違う薬剤をローテーションして使用する。

有用菌(バチルス菌)のパワー!:山口会員からの知見として、Bacillus subtilis(納豆菌・バチルス菌)等の有用微生物を利用した生菌剤の散布が話題になりました。バチルス菌が産生する抗菌ペプチドなどの直接的な作用や、植物自体の抵抗性を高める効果(ISR)により、うどんこ病の発現を抑える効果が期待できます。例会では佐藤さんからも「展示会から持ち帰ったサクラカスケードのハンギングバスケットが図らずもうどんこ病になってしまいましたが、納豆菌(希釈液)を毎日スプレーしたら劇的にピタッと止まりました!もう納豆菌に惚れ惚れです」というリアルな体験談が共有され、大いに盛り上がりました。

風とおしの確保:肥料(窒素)をあげすぎて茎がひょろひょろ(徒長)になると病気に弱くなります。風通しを良くするのが基本中の基本!

ここで貴重な観察報告も。「サーキュレーターの強い風が直撃するラインに沿って胞子が飛散し、病気が広がってしまった」「急な冷風の流入による温度差がトリガーになったかも」という事例がありました。ただ風を当てれば良いというわけではなく、部屋の密閉度と空気の循環バランスが大事なんですね。 また、ウイルスを媒介するアブラムシやアザミウマ(スリップス)も、早期発見・初期防除を徹底しましょう!


受粉のコツと、名作『 Begonia 'Aubry'(オーブリー)』誕生の物語


続いて、会報誌152号掲載のドレーンボス(Doorenbos)氏の論文をもとに、人工授粉のテクニックについて解説がありました。


ベゴニアは同じ株に雄花と雌花が咲きますが、咲くタイミングがズレることがよくあります。花粉を乾燥剤と一緒に冷蔵・冷凍保存する方法もありますが、やっぱり「今咲いている新鮮な花同士を、ポンポンと優しく直接タッチさせる」のが一番確実!という結論に(笑)。


授粉が成功すると、雌花の下にある「子房」が緑から色を変えてふくらみ、やがて茶色く乾いたら種採り(採種)のサインです。 ちなみに、まだ緑色の未熟な状態でも発芽力を持っていることがあったり、逆に完熟した種は「冬の寒さ」を体験(冷蔵庫保管)させないと芽が出ない物質を持っていたりと、ベゴニアの命の仕組みは本当に奥が深いです。


協会の宝物!名品ベゴニアのルーツ


今回は、当協会の歴史に燦然と輝く名作ベゴニア オーブリーの秘話も紹介されました。

この品種は一寸木会員が交配・選抜し、数名の会員らの手で大切に引き継がれ、最終的に神代植物公園の売店でも流通するようになった記念碑的なベゴニアです。 家系図をたどると、オレンジ花系品種に、原種のフローレスや、美しい深緑とシルキーな葉が魅力のルバーシーを2回も「戻し交配(バッククロス)」しています。この計算されたルバーシーの濃厚な血統こそが、あの独特の輝きと圧倒的な強健さ、花持ちの良さを生み出しているんですね!


また、鎌田理事長が作出された『 Begonia 'Momoyama'(桃山)』も話題に。台湾原産のBegonia formosana系とレックスベゴニアのハイブリッドで、日本の気候にぴったり適応した素晴らしい渦巻き葉の名品として、専門機関でも高く評価されています。


持ち寄り株の鑑賞会と、密閉テラリウムの「水苔」テクニック


例会の後半は、会員のみなさんが持ち寄った株を見ながらのワイワイトーク!


Begonia dregei
Begonia dregei

南アフリカ原産のドレーゲイ(Begonia dregei)の変種と思われる株について、「ドレーゲイに似てるけど葉の形がちょっと違うな…」「昔のラベルに『スフルティコーサ』って書いてあるけど、何かが違う。図鑑を見てもよく分からない!」といった、愛好家ならではのディープな疑問で盛り上がりました。


Begonia suffruticosa
Begonia suffruticosa

また、乾燥水苔からキレイな「緑の生きた新芽」を復活させるコツについても話題が及びました。 きれいな緑を再生させるには、ライトの光量・高湿度・そして何より「完全密閉」がポイント! 野生の水苔はお日様とたっぷりのお水が大好きですが、テラリウムのような密閉容器の中では、少し光量を抑えめにしてあげる方が、とっても綺麗な発色になってくれるそうです。


Begonia olsonie SILVER
Begonia olsonie SILVER

最後は、恒例の余剰苗や葉挿し用の葉っぱの譲渡会! 学術的な探求心と、栽培のノウハウ、そしてベゴニア愛に溢れた、あっという間のひとときでした。

次回の例会もみなさまのご参加を心よりお待ちしております!ベゴニア初心者の方も大歓迎ですので、ぜひお気軽にお越しくださいね。


次回の東京支部例会は

9月20日(日)13:30~15:30

錦糸町駅前 すみだ産業会館9階

 
 
bottom of page